6月21日(火) 猫の脛骨骨折(ロッキングプレート)
カテゴリー: 診察
6月21日(火)
ジメジメとした嫌な天気の日が続きますね
当院でも雨の時間帯は空いている傾向にありますが、
雨が上がった時間帯や晴れの日は逆に混みやすくなっております
ご理解ください
さて今日ご紹介する症例は猫ちゃんの骨折です
猫は高いところが好きなことは皆さんも知られているかと思いますが、
着地に失敗した時に骨折してしまうことも時々見られます
またお外に出る猫ちゃんでは交通事故や猫同士の喧嘩喧嘩から
骨折してしまい来院されるケースが多いように感じます
今回の猫ちゃんはお外に出る猫ちゃんです
数日ぶりに自宅に帰ってきたところ動けなくなているとのこと
また後ろ足が痛そうで変な方向に曲がってしまっているとのことで来院されました
早速全身の状況を確認しつつレントゲンを撮影してみると・・・
人間でいうところのスネの骨(脛骨・腓骨)が完全に折れてしまっていました

斜・螺旋骨折が考えられ、骨折端も非常に鋭利になっているため危険です
もし皮膚を突き破って感染を起こせば状況によっては断脚や命にも関わる状況です
すぐに入院治療を開始しました
衰弱状況であったため、まずは内科的に全身の改善をはかり手術に向けて治療していきます
幸い数日で体力も戻ってきたために予定通り手術を行うこととなりました
連日昼間には手術や処置・検査が入っているため夜間の手術になります
スタッフも皆、自分の時間を犠牲にし、手術に臨んでくれました
手術前の写真ですごく痛々しいですが
後ろ足が内出血を起こし、ブラブラになってしまっています
十分な消毒をおこなったのちに皮膚を切開し、骨折部位に向かって進めていきます
筋肉も損傷を受けており、多くの血餅がたまっています
また内側の伏在静脈という重要な血管を傷つけないように注意しながら剥離をすすめていきます

骨折部位がしっかりと確認できました
レントゲン通り骨折端は非常に鋭利でもう少しすれば開放骨折になってしまうところでした
粉砕している骨片を取り除き、骨を元どおりの位置に整復していきます
骨を固める位置をしっかりと確認した後、
プレートをあてがい骨にドリリングをおこなって穴を開けていきます

今回はマトリックスという特殊なロッキングプレートを使用することにしています
猫の脛骨の骨折には「魔物が潜んでいる」と言われるくらい術後の癒合不全や再骨折が多く
中途半端なプレート固定ではリスクが高いため、強固なロッッキングプレートを使用しています
一つ一つの穴をずれないように注意深く作っていきます
できた穴にネジ(スクリュー)をねじ込んで固定していきます
そして無事にプレートの装着が完了しました

しかし今回は力学的にまだ不安定な要素があったため
ラグスクリューという補助のためのネジをもう一つ入れることにしました
一つ一つの作業が冷や汗ものです
ドリルで骨を割ってしまっては元も子もありませんし、
一度開けた穴は元には戻らないので緊張の連続です
これで無事に強固な固定が完了しました
後は剥離した筋肉や皮下の組織を丁寧に縫合して傷を閉鎖していきます

しばらくは安静が必要ですが手術は成功しました
術後のレントゲンでも整復がバッチリなことを確認できました

退院した後は自宅でも早速足を使って歩いてくれているようでホッと一安心です
このようにお外に出る猫ちゃんは突発的な事故で様々な怪我をしてしまいます
室内飼いを徹底するようにしていきましょう
また当院ではロッキングプレートを用いた手術や
超小型犬に対する極小プレートを用いた手術も積極的に行っております
骨折を含め何かお困りのことがあればご相談ください
院長
それでは今日はこの辺で・・・・
出来ましたら、拍手をお願いします♪
(拍手も、ランキング参加も、いつも、スタッフ一同の励みになっています(o^∇^o)ノ)

京都市右京区(鳴滝・常盤・太秦・嵯峨・嵐山・花園・梅津・円町・西京極)
動物の総合健康管理施設
右京動物病院 HEALTH CARE CENTER
ジメジメとした嫌な天気の日が続きますね
当院でも雨の時間帯は空いている傾向にありますが、
雨が上がった時間帯や晴れの日は逆に混みやすくなっております
ご理解ください
さて今日ご紹介する症例は猫ちゃんの骨折です
猫は高いところが好きなことは皆さんも知られているかと思いますが、
着地に失敗した時に骨折してしまうことも時々見られます
またお外に出る猫ちゃんでは交通事故や猫同士の喧嘩喧嘩から
骨折してしまい来院されるケースが多いように感じます
今回の猫ちゃんはお外に出る猫ちゃんです
数日ぶりに自宅に帰ってきたところ動けなくなているとのこと
また後ろ足が痛そうで変な方向に曲がってしまっているとのことで来院されました
早速全身の状況を確認しつつレントゲンを撮影してみると・・・
人間でいうところのスネの骨(脛骨・腓骨)が完全に折れてしまっていました


斜・螺旋骨折が考えられ、骨折端も非常に鋭利になっているため危険です
もし皮膚を突き破って感染を起こせば状況によっては断脚や命にも関わる状況です
すぐに入院治療を開始しました
衰弱状況であったため、まずは内科的に全身の改善をはかり手術に向けて治療していきます
幸い数日で体力も戻ってきたために予定通り手術を行うこととなりました
連日昼間には手術や処置・検査が入っているため夜間の手術になります
スタッフも皆、自分の時間を犠牲にし、手術に臨んでくれました
手術前の写真ですごく痛々しいですが
後ろ足が内出血を起こし、ブラブラになってしまっています

十分な消毒をおこなったのちに皮膚を切開し、骨折部位に向かって進めていきます
筋肉も損傷を受けており、多くの血餅がたまっています
また内側の伏在静脈という重要な血管を傷つけないように注意しながら剥離をすすめていきます

骨折部位がしっかりと確認できました
レントゲン通り骨折端は非常に鋭利でもう少しすれば開放骨折になってしまうところでした
粉砕している骨片を取り除き、骨を元どおりの位置に整復していきます


骨を固める位置をしっかりと確認した後、
プレートをあてがい骨にドリリングをおこなって穴を開けていきます


今回はマトリックスという特殊なロッキングプレートを使用することにしています
猫の脛骨の骨折には「魔物が潜んでいる」と言われるくらい術後の癒合不全や再骨折が多く
中途半端なプレート固定ではリスクが高いため、強固なロッッキングプレートを使用しています
一つ一つの穴をずれないように注意深く作っていきます
できた穴にネジ(スクリュー)をねじ込んで固定していきます
そして無事にプレートの装着が完了しました

しかし今回は力学的にまだ不安定な要素があったため
ラグスクリューという補助のためのネジをもう一つ入れることにしました
一つ一つの作業が冷や汗ものです
ドリルで骨を割ってしまっては元も子もありませんし、
一度開けた穴は元には戻らないので緊張の連続です

これで無事に強固な固定が完了しました
後は剥離した筋肉や皮下の組織を丁寧に縫合して傷を閉鎖していきます

しばらくは安静が必要ですが手術は成功しました
術後のレントゲンでも整復がバッチリなことを確認できました

退院した後は自宅でも早速足を使って歩いてくれているようでホッと一安心です
このようにお外に出る猫ちゃんは突発的な事故で様々な怪我をしてしまいます
室内飼いを徹底するようにしていきましょう
また当院ではロッキングプレートを用いた手術や
超小型犬に対する極小プレートを用いた手術も積極的に行っております
骨折を含め何かお困りのことがあればご相談ください
院長
それでは今日はこの辺で・・・・
出来ましたら、拍手をお願いします♪
(拍手も、ランキング参加も、いつも、スタッフ一同の励みになっています(o^∇^o)ノ)

京都市右京区(鳴滝・常盤・太秦・嵯峨・嵐山・花園・梅津・円町・西京極)
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