当院では京都府で唯一(2020年5月現在)、小型犬の僧帽弁閉鎖不全症に対する対外循環下僧帽弁修復術を実施しております。
手術を検討されている方は下記をご覧になり、当院までお気軽にお問い合わせください。
また動物病院様からの紹介も承っております。その際は当院までご一報いただければと思います。
人と同じように動物も高齢化が進んだ時代となり、心臓病を患うわんちゃんが多くなりました。その中でも高齢の小型犬に発生しやすいのが弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)です。
僧帽弁閉鎖不全症は左心房と左心室を隔てる弁が変性を起こすことによって、血液の逆流が生じる疾患です。
重症度によってステージがA~Dに分けられますが、逆流が重度となると、肺水腫や失神などの命に関わる症状を引き起こすようになり、従来の獣医療では内科的に治療することしかできませんでした。
僧帽弁閉鎖不全症のイラスト
肺水腫を起こした犬のレントゲン写真(心臓は大きく拡張し、赤丸領域に水が溜まっています。)
しかし従来の内科治療(利尿剤や強心剤を用いた治療)では症状を抑えることはできても完治を見込めない、治療に限界があり打つ手がなくなる症例も数多くありました。
そのような中、獣医療領域でも人医療同様に僧帽弁を修復する外科治療が徐々に広まってきました。まだまだ実施できる施設は限られていますが、当院では院長平野が2015年より大阪府の施設で研修を積み、2019年より京都府で初めて小型犬に対する心臓外科手術を実施できるようになりました。
心臓外科手術では変性してしまった僧帽弁を修復していきます。
具体的には腱索再建術と弁輪縫縮術という二つの方法で心臓を治します。
また動いている心臓を止めて手術をするため、体外循環装置を用いての手術となります。
そのため通常の手術とは違って、大きなリスクがあるのも確かです。
主な合併症としては以下のものがあります。
当院では上記合併症を最大限に減らし、術後成績を向上させるためにスタッフ全員が日々努力しています。また術後管理も24時間体制で実施し、的確で繊細なケアを心がけています。
手術スタッフも術者、助手、器具係、ポンプ係、麻酔、外回り、検査係など総勢で10人近い体制で手術に臨みます。
手術時間は6時間前後、入院期間は10日前後となり、術後しばらくは血栓予防のための薬などを数ヶ月服用する必要があります。費用に関しては症例によっても異なりますので、当院まで直接お問い合わせください。ステージによって術後の薬をどこまで減らせるかは違いますが、多くは薬がほとんどなくなり、今までと違って元気に走り回って呼吸も楽になってくれます。
以下は実際の術前・術後のエコー検査での違いです。
心臓外科手術前のエコー動画ですが、心拍数も早く、僧帽弁が反転し、弁としての機能を果たしていないことがわかります。
心臓外科手術後のエコー動画ですが、心拍数は落ち着き、僧帽弁が正常に機能していることがわかります。
このように手術後では血液の逆流が大幅に抑えられ、生活の質(QOL)が劇的に改善します。
まだまだどこでも実施できる手術ではありませんが、助けられる命を助けるために、当院ではスタッフが研鑽を積み、定期的にこの手術を実施しています。
現在多くの患者さんが手術を希望されており、予約状況は日々変動しますので、手術を検討される方は当院院長平野の予約診察をお受けください。
現在のステージも踏まえて一度診察させていただいた上で、詳しくご説明させていただきます。
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