外耳炎について【獣医師が7分で解説】

・耳を頻繁に掻いている
・耳の匂いが臭い
・頭をよく振っている
最近こういったことが増えていませんか?もしかしたら外耳炎を起こしているかもしれません。
今回は外耳炎について一緒に学んでいきましょう。
目次
外耳炎とは?
外耳炎とは耳介〜鼓膜にかけて発生した炎症によって、耳垢の蓄積や耳の赤みなどを
認める疾患です。
症状の持続期間によって、急性、亜急性、慢性外耳炎に分類されます。
原因は?
外耳炎の原因は様々です。主因、副因、永続因子、素因、この4つの因子が絡み合い発症すると言われてます。
・主因:直接耳道に炎症や損傷を与えるもの ex)異物、アレルギー、寄生虫など
・副因:直接炎症を起こすことはないが、他因子と組み合わさって発症因子になるもの
ex)細菌、マラセチアなど
・永続因子:外耳炎の治癒を阻害し慢性化させるもの ex)中耳炎、耳道の石灰化など
・素因:外耳炎にかかるリスクを高めるもの ex)犬種、環境など
症状は?
耳の赤み、痒み、腫れ
外耳炎は炎症ですので、炎症徴候を基本とします。炎症徴候は赤くなる、腫れる、熱感、痛み、機能障害があります。
耳垢の蓄積
炎症が生じることで耳道表面が肥厚し、耳垢を形成する耳垢腺が多く作られることで耳垢が増えます。また、炎症により耳道の自浄作用が阻害されてしまう事で、耳垢が溜まりやすくなります。
耳漏
耳道にいる球菌やマラセチアと言った常在菌の増殖と耳道内の湿度が上がる事で起きやすくなります。
どんな検査が必要?
耳道内を耳鏡で観察し、採取した耳垢の内容を顕微鏡で観察します。
極端に耳道が狭くなってしまっている子や耳を痛がって触らせてくれない場合は無理に検査をせず、先に耳道を広げる治療を行う場合もあります。

治療方法は?
基本は洗浄液を用いた耳洗浄や抗生剤やステロイドを用いた点耳薬、内服薬を用いて治療します。しかし、耳が肥厚し過ぎて耳の穴が塞がっている場合などは手術をする事もあります。また、耳道内の異物がある場合は、オトスコープと言う内視鏡を用いて摘出したり、耳道内を洗浄したりもします。

予防方法は?
犬種(トイプードルやコッカースパニエルなど)によっては定期的な耳掃除が必要になります。主因がある場合は根本治療をすることが予防につながります。
症例紹介




外耳炎についてよくある質問
洗浄頻度は?
1か月に1回という子もいれば、半年に1回という子もいます。その子にあった洗浄頻度を一緒に探していきましょう。
耳掃除をする時、綿棒を使っても良いのか?
使用は控えてください。綿棒を使うことで耳垢をさらに奥に入れてします恐れがあります。
家での耳洗浄ができない時はどうすればいいか?
ご自宅での洗浄が困難である場合は、病院に連れてきていただき耳掃除をお願いしてもらえたらと思います。
まとめ
外耳炎は正しい治療を行わないと、なかなか治りにくくなってしまう疾患です。気になる症状があれば放置せず一度獣医師に相談してみてください。
右京動物病院では急性外耳炎から慢性外耳炎も対応可能です。病態や耳掃除の方法についても丁寧に解説し教えることもできますので、お困りの方はご連絡ください。