胆嚢粘液嚢腫とは<獣医師が5分で解説>

- 吐いている
- 下痢している
- 尿がいつもより黄色
上記の症状が急に出てきた時どうされていますか?
最後まで読んでいただくことで、胆嚢粘液嚢腫に対して理解し、手遅れになる前にワンチャンの命を救えるかもしれません。
胆嚢粘液嚢腫とは
胆嚢粘液嚢腫とは胆嚢内に半固形の可動性に乏しい胆汁由来の粘液物質が存在することです。
原因は?
近年の研究において、胆嚢粘液嚢腫の発症に関連する基礎疾患の存在が指摘されています。
明確な機序はいまだに明らかにされていませんが指摘されている基礎疾患の1つに副腎皮質機能亢進症があります。
また甲状腺機能低下症や高脂血症も関与している可能性が指摘されています。
症状は?
嘔吐や活動性の低下、食欲不振など非得意的なことが多いです。
一方で定期検診などでたまたま胆嚢粘液嚢腫の超音波検査所見が認められる”無症候性の胆嚢粘液嚢腫”も存在します。
検査方法
血液検査では肝酵素の上昇が比較的よく認められます。また胆嚢破裂を起こしている症例ではビリルビンの上昇が認められます。
画像検査では腹部超音波検査でキウイフルーツ様に見える所見が特徴です。
治療方法
犬の胆嚢粘液嚢腫において十分なエビデンスに基づいた確立された内科的治療はありません。
多くの臨床現場ではウルソデオキシコール酸が投与されています。理論的には有効である可能性はありますが、その有用性はいまだに不明です。
外科的治療に関しては胆嚢破裂胆嚢粘液嚢腫を原因とする胆管閉塞を起こしている場合は早急な外科的介入が必須です。
胆嚢粘液嚢腫に関するよくある質問
治りますか?→内科治療では根治する可能性は極めて低いです。明らかな臨床症状が見られる子では外科療法(胆嚢摘出術)が第一選択となっています。
まとめ
胆嚢粘液嚢腫は発生機序や基礎疾患との関連性が複雑であり、不明な部分も多いです。
嘔吐や下痢、尿の色が黄色、白目が黄色等の症状があるようでしたら早めの受診をおすすめします。早期の治療で命が救える可能性があります!
右京動物病院では胆嚢摘出の手術も実施しています。お困りの際はご連絡ください。