歯周病について【獣医師がわかりやすく5分で解説】
・口の臭いがキツくなってきた
・歯肉から血が出てくる
・硬いものを食べたがらない
最近こういったことが増えていませんか?もしかしたら歯周病を起こしているかもしれません。
今回は歯周病について一緒に学んでいきましょう。
目次
歯周病とは?
歯垢中の細菌が原因となって歯肉に炎症が起きる歯肉炎と歯肉以外の歯槽骨などの
歯周組織にまで炎症が及ぶ歯周炎を併せて歯周病と言います。
原因は?
歯垢に含まれる細菌や歯垢と唾液中のカルシウムやリンが結合して作られた歯石
によって歯周病は発生します。
また犬猫は口のpHがアルカリ性よりなので、歯周病の原因菌が繁殖しやすい
環境となっています。
症状は?
歯肉の腫れ、出血、口臭などがあげられます。病状が進行すると、顎の骨折や
口腔と鼻腔が貫通してしまう口腔鼻腔瘻などを起こすことがあります。
どんな検査が必要か?
目視で歯肉の腫れや歯石の付着具合を確認しますが、歯周病がどれほど進んでいるかは
歯周ポケットの深さや歯科レントゲンでどれほど歯が吸収されているか確認する必要があります。
治療方法は?
スケーリングで歯垢、歯石の除去を実施する必要があります。
歯周病が重度であれば抜歯をすることやスケーリングまで抗生剤を服用していただく
ケースもあります。
予防方法は?
歯周病の発生には環境因子が大きく関係しています。歯ブラシや歯磨きシートを
用いたデンタルケアで歯垢を除去することが望ましいです。
症例紹介
閉口障害を主訴に当院を受診されました。口臭、歯石の付着具合、歯のグラつきから
歯周病が考えられ、翌日スケーリングとグラついている歯を抜歯しました。
抜歯後は傷口を縫合しました。




歯周病についての質問
・歯ブラシで歯石は取れるのか?
歯石は歯ブラシでは取れません。歯石を取るにはスケーリング処置で取る必要が
あります。
・歯ブラシの代わりに固いものを与えてもいいのか?
硬すぎるものは逆に歯を磨耗・破折を起こす可能性があるので控えた方が良いでしょう。
硬さの基準は、人のハサミで切れるくらいの硬さが望ましいとされています。
・無麻酔でスケーリングは行えるのか?
当院では行えません。また、日本やアメリカの獣医歯科学会でも推奨されていません。
まとめ
犬猫は歯周病に罹りやすい動物で、放置していると口が痛くてご飯を食べなくなったり
様々な問題が生じていきます。
一度、我が子のお口の状況を確認してみるのはいかがでしょうか?
右京動物病院では歯周病の治療も可能です。
歯周病についてご相談や治療をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
