膵炎<獣医師が分かりやすく5分で解説>
膵炎とは
膵臓内で消化酵素が不適切に活性化してしまい膵臓の壊死や膵臓の自己消化が起こります。それによって膵炎が起こります。
そして膵炎には急性膵炎と慢性膵炎があります。急性膵炎は膵臓の炎症が急激に起こる病態であり、慢性膵炎は膵臓が萎縮してしまっている状態です。

症状は?
急性膵炎では食欲不振や活動性低下、嘔吐、下痢などの消化器症状に加えお腹の痛みがキツくいわゆる<祈りのポーズ>をとるワンちゃんも多いです。
一方で猫ちゃんは明確な痛みを身体検査で判断するのは難しいと言われています。

診断方法は
血液検査のみで診断ができるわけではありません。(リパーゼの上昇等)血液検査で膵臓マーカーと謳っていても他の疾患によっても上昇することがあります。そのため基本的に膵炎の診断は総合的に見て行うことになります。
膵炎は臨床症状がまず必ずあります。
そのため臨床的診断基準は<少なくとも2つ以上の消化器症状>+<膵臓マーカーの上昇or/and 腹部超音波検査>になります。数値や検査も大事ですが診断には消化器症状の有無に着目します。
治療方法は
① 原因の除去
② 輸液
③ 吐き気止めと胃酸抑制剤
④ 疼痛管理
⑤ 早期給餌の開始
(⑥ 抗血栓療法やステロイド使用)
がメインになってきます
①原因の除去
ワンちゃんは脂質の多いものを食べている子や肥満は膵炎発症リスクが高いと言われています。そのため低脂肪食の給餌が推奨されます。
一方でネコちゃんでは95%は特発性と言われており、食生活や肥満との関連性は確立されておりません。ネコちゃんは高脂質に対する耐性も高くワンちゃんで推奨されている低脂肪食の使用はネコちゃんには当てはまりません。
②輸液
膵臓への循環を良くするため輸液が膵炎治療の主軸になります。
③ 吐き気止めと胃酸抑制剤
嘔吐による脱水予防や胃食道粘膜保護など様々な利点があります。
④ 疼痛管理
膵炎は強烈な痛みがあると言われています。そのため積極的な痛み止めを使用するべきです。
⑤ 早期給餌の開始
歴史的には絶食絶水が推奨されていました。しかし絶食絶水は逆に感染症の合併症発率を上昇させることが知られ現在では早期給餌の再開が有用とされています。48時間以内に食事を開始することを推奨しています。
まとめ
近年膵炎を診断する機会が増えてきておりますが、その中で過剰診断になっていることもあります。
診断自体が難しい場合もありますが、早期に適切な治療を行うことで病態が悪化する前に良化することもできます。
右京動物病院では現在の獣医療における診断、治療法に則り膵炎の治療を実施しております。。
気になる症状等ございましたら、お気軽にご相談ください。
