犬の椎間板ヘルニア【獣医師がわかりやすく５分で解説】
椎間板ヘルニアとは？
椎間板ヘルニアとは背骨の骨と骨の間にある椎間板と言われるクッションが何らかの衝撃によって圧迫を受けて脊髄を障害することで痛みが生じる疾患です。頸部もしくは胸腰部で発生が多いとされています。
どんな症状？
ジーっとして動かない、ずっと震えている、抱き上げると悲鳴をあげる、後ろ足が動きにくそう、立ち上がることができない等々、、椎間板ヘルニアの程度、場所によって様々です。
どんな子がなりやすいの？
軟骨異栄養犬種と呼ばれるミニチュアダックスフンド、ウェルシュコーギー、ペキニーズ、フレンチブルドッグ、トイプードルの他、大型犬ではラブラドールレトリバー、ジャーマンシェパード、ドーベルマンで発生が多いとされています。
診断の仕方は？
まず動物さんの状態を丁寧に観察しどの程度のヘルニアなのか獣医師が判断し、追加でレントゲン検査を行なったりします。最終的な診断はMRI検査になります。
治療方法は？
大きく分けると内科治療と外科治療の２つに分かれます。内科治療とは痛み止めや安静をする治療法で、外科治療とは全身麻酔をかけて手術で治療する方法です。グレードによって異なります。頚部椎間板ヘルニアは3グレード（緑色の表）、胸腰部椎間板ヘルニアは4グレード（青色の表）に分かれます。
MRI検査
椎間板ヘルニアの最終診断は主にMRI検査にて行います。当院にはMRIの機器がないため提携の二次診療施設で検査を依頼させていただいています。実際の患者様のMRI画像です。（右：頚部の椎間板ヘルニア、左：腰部の椎間板ヘルニア）
MRI検査を行うことで病変部分をはっきりさせるだけでなく、よく似た他の疾患を除外することができます。
椎間板ヘルニアに関するよくある質問
- 費用はどれくらいかかるの？？
→体重、治療法によって大きく異なります。内科治療であれば数万円で済む場合もありますが、MRI検査や外科治療を行う場合総額５０万近くなる場合もあります。 - ヘルニアは繰り返す場合はある？
→十分あり得ます。治療が終わってからも抱っこの仕方や運動の仕方に気をつけていく必要があります。 - 症状が似ている他の病気は？
- →背骨に痛みが生じる、麻痺が出る疾患は椎間板ヘルニアの他にも、ウォブラー症候群、馬尾症候群、環軸不安定症、椎間板脊椎炎、脊椎/脊髄腫瘍、変性性脊髄症、進行性脊髄軟化症 等々あります。各病気についてはまた別で解説させていただきます。
まとめ
椎間板ヘルニアは突然発症することはよくあります。少しでも異変を感じたらなるべく早くご来院ください。早期の治療で回復する確率は高くなります。
背中に負荷をかけない生活を普段からしていただき、発症のきっかけを減らしていきましょう！
右京動物病院では胸腰部椎間板ヘルニアの手術の対応可能です。お困りの際はご連絡ください。
