右京動物病院

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右京動物病院ブログ: 診察

2月19日(火) 運が良い!

カテゴリー: 診察 

2月19日(火)

*******セミナーのお知らせ*********
パピー教室:2月23日(土)

*******獣医師の臨時休診について*********
院長:2月21日(木)、26日(火)
廣畑:2月27日(水)
三浦:2月24日(日)

皆さんこんにちは。獣医師の廣畑です。
今回は誤食のワンちゃんのお話をしたいと思います。

お話の主人公はトイ・プードルのFちゃん。
お昼過ぎにスポンジ状のおもちゃを間違って食べてしまったとのこと。
しかし、病院に連れて来られたのが夜7時過ぎ。
一般的にワンちゃんが誤食をしてしまった場合、誤食した物にもよりますが
誤食してから数時間以内であれば催吐処置により吐かせることが可能です。
誤食して時間が経てば経つほつほど吐かせることは困難になってきます。

今回誤食してから約6時間以上が経過していたため、
おもちゃが胃から腸へ流れてしまっている可能性も高く
催吐処置を行ってもおもちゃを吐き出さないことも考えられました。
仮に催吐処置で吐き出さない場合は、内視鏡での摘出を試みるか
胃切開を行うか、便と一緒に出てくるのを待つかのいずれかになります。

催吐処置を行う前にレントゲン検査を行いました。


Fちゃんがおもちゃを食べて以降は何も食べていないとのことですが、
胃の中に何かあるのが確認できました(赤線で囲んだところ)。
これはもしやおもちゃがまだ胃の中にあるのでは!?
と思い、期待を込めて催吐処置をすると

無事吐き出しました!(左)これでもう安心です!
オーナーさんも半ば諦めかけていたため、大変喜んでおられました。

おもちゃが予想以上に大きかったために、ある程度時間が経過しても胃から腸に流れること無く、
ずっと胃の中に留まっており上手く吐き出せたのだと思います。
もう少し小さければ腸に流れてしまい、吐き出せない可能性は大いに有りました。
今回は非常に運がよかったと思います。
飼われている子が誤食してしまった場合は、とりあえず様子を見てみるではなく、
まずは動物病院にご連絡を!!

・。_それでは今日はこの辺で・・・ 出来ましたら、「いいね」をお願いします♪

K.HIROHATA@U-KYO-Animal Hospital

⭐︎インスタ始めました⭐︎ 
京都市内初の腹腔鏡システム、CT検査装置導入 [腹腔鏡下避妊手術、遠隔診断]
動物の総合健康管理施設右京動物病院 HEALTH CARE CENTER・SAGANO
JAHA認定 総合臨床医・外科医/ 国際中獣医学院認定 中獣医鍼灸師
 ISFMキャットフレンドリークリニック ゴールド認定 

2月17日(日) プレミアムな健康診断で全身しっかりチェック!

カテゴリー: 愛犬 診察 

2月17日(日)

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パピー教室:2月23日(土)

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院長:2月21日(木)、26日(火)
廣畑:2月27日(水)
三浦:2月24日(日)

まだまだ毎日寒い日が続きますね😨
春までもう少し!
夜はオハナの温もりなしには安眠できません。
実はいつも私の腕の中で、寄り添って寝てるんです😚💕
先日、トリミングをしてもらって毛もフワフワ😊
大好きなある飼い主様からいただいた、かわいいリボンがとってもお似合いなオハナです😍


さて、今回は新しくリニューアルされたペットドックの中でも一番スペシャルなコース、プレミアムスケーリングコースのお話です。
このコースは従来からもあった、全身しっかり隈無く検査した後にスケーリングをするヘルスケアスケーリングに、プラス内視鏡検査とCT検査がついてきます✨
7歳を超えてくると、いわゆるシニアという時期に入ってきます。
このくらいの年齢になるとどんな病気が見つかってきてもおかしくありません。
そんな年齢の子たちには今の健康状態をしっかり確認できる上に、お口の中も一緒にトータルケアできるプレミアムスケーリングコースがとってもおすすめです!

先日、今年で14歳を迎えるミニチュアピンシャーのLくんがこのコースを受けてくれました。
Lくんは去年もペットドックを受けてくれていて、いくつか気になることが見つかっていました。
体表にできた腫瘍や肛門粘膜にできた腫瘍、内視鏡検査で見つかった胃のポリープ…
しかし、その検査後にそれぞれに対しての治療をした結果、今回の検査ではほとんどが改善かあるいは経過良好👌という結果でした。
お口の中もこんなにピッカピカ✨

ただ…
今回初めて行ったCT検査では、思いもよらなかった結果がみつかり、CT検査をしないとわからなかった病変が確認されました。
お腹の中にエコー検査ではわからなかった腫瘤が見つかったんです😱

今のところ特に何も症状はないので、定期的に血液検査等で確認していくことになりました。
Lくんの飼い主様もこの結果にはショックを受けられていましたが、早期にこういった病変が見つかった分しっかり対応ができるので良かったとおっしゃられていました。

病院は、もちろん体調を崩してしまってそれを治すために行く所ではありますが、体調を崩さないように未然に防ぐために行く所でもあります。
その子その子にあったペットドックのコースを選んで健康チェックを行いましょう。
そして、健康に長生きしましょう😊

それでは今日はこの辺で・・・ 出来ましたら、「いいね」をお願いします♪

A.Hyakkoku@U-KYO-Animal Hospital

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2月15日(金) 猫の開口呼吸には注意を!

カテゴリー: 診察 

2月15日(金)

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分院SAGANO は2月11(月)~2月16(土)の間臨時休診となります。
ご不便おかけしますが、本院へご来院ください。

こんばんは、獣医師の國廣です。
まだまだ寒い日が続きますが、みなさん体調を崩していませんか?
私たちは病気の子たちを治すために日頃から動き回っていますが、
健康な体あっての仕事なので、より体調管理を意識しないといけません。
といっても、元々体が丈夫で健康的なことをあまりしていませんが・・・笑
今年はジムでも通って基礎体力をつけたいなぁと思うこの頃です。

先日、急遽友人の誘われて日帰り伊勢観光に行ってきました。
伊勢神宮の近くにある”松尾観音寺”という隠れたパワースポットに行ってきたんですが、
普段スピリチュアル的なものに鈍感な私でもすごいと感じました。
龍神様が祀られているところで、お寺の中の床に
木目に合わせて写真のように龍が浮き出てきたそうです。

みなさんも興味があれば、伊勢に立ち寄った際にぜひぜひ行ってみてください!


ではでは、本日のテーマは約12歳猫のPちゃんのお話。
2週間前のブログで猫風邪について書かせていただきましたが、
今回のPちゃんの症状は「鼻炎で呼吸が苦しそう。」というものでした。

診察室で実際にPちゃんを診てみると、鼻がズビズビとなっており、
開口呼吸をしていました。猫ちゃんはわんちゃんと違って、普段口を開けて呼吸をすることがないので
非常に危険な状態です。
血液検査、画像検査に移り原因の究明に取り掛かります。
血液検査では重度の脱水と軽度の腎不全が見つかりました。
そしてレントゲン検査では・・・

肺野が白くなっていることが確認されました。
鑑別疾患として
・肺炎
・肺水腫
・肺腫瘍
などがありますが、重度の鼻炎もあるため肺炎を強く疑いました。
酸素室での酸素療法、抗生剤の投与で症状も徐々に緩やかにはなってきましたが、
高齢で免疫も弱っていることもあり、治療はなかなか時間がかかりそうです。

前回のブログでも書きましたが、単なる猫風邪でも二次感染の結果肺炎をきたし、
呼吸困難になることがあります。
特に冬場は人と同様に免疫が落ちることも多いので、注意が必要です。

それでは今日はこの辺で・・・ 
出来ましたら、拍手をお願いします♪
(拍手も、ランキング参加も、いつも、スタッフ一同の励みになっています(o^∇^o)ノ) 

KUNIHIRO@U-KYO-Animal Hospital

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2月12日(火) 動かすって大切!

カテゴリー: 診察 

2月12日(火)

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デンタルセミナー:2月17日(日)

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廣畑:2月27日(水)
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こんばんは。獣医師の三浦です。

早速ですが、「リハビリ」の意味をご存知でしょうか?

正式名称はリハビリテーション(rehabilitation)で、
“re(再び)” “habilis(適した)” “action(動き)”に戻すという意味があります。
その方法には運動療法やマッサージ療法、物理療法など様々な方法があり
それぞれに異なる作用があるため、症状に応じてメニューを組み立てます。
失った機能を回復することが主な目的のように思われますが、
今ある機能を維持して生活の質(QOL)の向上や維持、もしくはQOL低下のスピードを緩めることも大切な目的です。
何らかのトラブルがあった時、もちろん急性期は無理して動かさず安静が第一なのですが
いつまでも動かさないでいたら、必要異常に力が落ち、弱ってしまいます。
急性期が落ち着いたら、できる限り動かして機能を維持することが大切なのです。

さて、本日はそんなリハビリをずっと頑張っているMちゃんを紹介します。


Instagramをご覧の方は、ご存知かもしれませんね。
とっても素敵な笑顔で、去年の秋頃から通ってくれています😊

Mちゃんの問題は、先天性の脊椎奇形と股関節形成不全、膝蓋骨脱臼。


一つ一つの椎体(背骨)が不均等なの分かるでしょうか?


股関節も、異常に浅い状態です。

初診時は椎間板ヘルニアも併発してたのでしょう。
歩けはするけど、後肢の反射がにぶくフラフラ…という状況でした💦
残念ながら手術で治る問題ではありません。
そのため、リハビリを始めることにしました。
主には運動療法と鍼灸治療ですが、ここで一番大切なのは、ご自宅で毎日行うトレーニング。
Mちゃんのお母様にも早速頑張っていただいて、1週~2週に1回くらいの頻度で通っていただきました。

最初はトレッドミル上ではバランスが取れず、後肢の支えが必要だったMちゃん。
リハビリ効果か、2回目には、支えがなくても歩けるようになりました!
そして5ヶ月経った最近では、腰の安定感も増してきました。

努力の賜物ですね🤗

Mちゃんはとにかく、人が大好き!おやつが大好き!

トレッドミルはいつもやる気満々で、自分から乗って楽しそうに歩いてくれます🐕

リハビリが他の子と一緒になった日は、待ち時間に部屋を自由に歩き回ってもらうのですが
Mちゃんはおやつ狙ってお座りばかり 笑

スタッフ一同、Mちゃんとの時間をとっても楽しんでいます😊
いつまでも楽しく歩けるように、頑張ろうね!

私も、今年の目標は「運動すること」です🏋
休みの日にボルダリングやヨガ、ピラティスなど色々やってみています。
マッサージをしても全く効果がないような慢性的な肩凝りがあるのですが、
意識して体を動かすだけでかなり楽になるんです👀
分かってはいるけど、続けられない…が悩みなので、
リハビリを頑張る皆さまを見習って、私も頑張って続けていきます💪

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R.Miura@U-KYO-Animal Hospital

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2月8日(金) 前十字靭帯

カテゴリー: 診察 

2月7日(木)

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パピー教室:2月9日(土)、15日(金)、23日(土)
デンタルセミナー:2月17日(日)

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院長:12日(火)、14日(木)、15日(金)、
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百石:2月9日(土)、10日(日)
廣畑:2月27日(水)
三浦:2月24日(日)
國廣:2月12日(火)

*******分院臨時休診について*********
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ご不便おかけしますが、本院へご来院ください。

 

太陽です。

犬の急な後肢跛行の原因のなかでとても多いものが前十字靭帯断裂です。

前十字靭帯は膝関節の安定性を保つ上で一番大きな役割を果たしている靭帯です。

元気に走り回っていても、急に靭帯断裂は起こります。

そして興味深いのは普段運動をせず家の中でのんびり過ごしていても、急に靭帯断裂は起こるのです。

この理由については後ほどお話しします。

 

急な左後肢の跛行を主訴に来院したD君。院内歩行でも左脚の負重が弱く明らかに整形学的な問題がありそうです。(神経疾患の場合はケンケンではなくずり足になるのでおおよそ見分けがつきます)

またおすわりをしてもらうと左脚だけ外に伸ばしておすわりをします。シットテストと呼ばれるもので、痛い方の脚を伸ばして座るというものになります。特に膝の痛みがあるかどうかを見分ける際に使います。(動物は痛い場所が言葉で説明できないため、このような痛みの原因を探るテストが沢山あります)

また膝の安定性を確かめるためのドローワーテストでも陽性となり、膝の安定性が保たれていない事がわかりました。

この時点で前十字靭帯断裂がものすごく怪しくなってきます。

情報を増やすためにレントゲン検査を実施します。


左に写っている脚がケンケンをしている脚です。右側が正常な脚です。

(私の指が写り込んでいます。失礼しました。)

左のスネの骨が前方(向かって右方向)に変位しているのがお分かりいただけるでしょうか。靭帯による安定性の欠如を示唆しています。

またファットパッドサインと呼ばれる前十字靭帯損傷のサインも出てきています。

画像診断、触診の結果前十字靭帯断裂の可能性が非常に高く、治療の必要があります。

(人間の場合はMRIで確定診断を出しますが、動物の場合は靭帯が細いため画像による確定診断が困難です)

相談の結果、保存療法(関節炎を抑える注射や痛み止め、安静など)で経過を追っていき、改善が見られなければ外科も視野に入れていくことになりました。

 

ちなみに私は前十字靭帯を二回断裂しており、手術を二回しています。サッカーでしている時に断裂してしまいました。最近また膝が痛むようになってきたので週一回リハビリに通っています。術後のリハビリ仲間はスケートの高橋大輔さんです。こちらが一方的に思っているだけで話したことすらありませんが笑

以前自分の膝のレントゲンを内緒で撮ってみたところ、骨棘と呼ばれる関節炎初見が見られまいた。(秘密が一つバレてしまいました笑)

こんな年で関節炎が進んでいるとは。。

さて犬はなぜ激しい運動をしなくても前十字靭帯が切れるのか。

答えは四足歩行にあります。

二足歩行の人間は立っている時膝関節がまっすぐ伸びており靭帯にストレスはかかっていません。しかし四足歩行の犬は立っている時でも膝関節は軽く曲がった状態でキープされています。膝が曲がったまま体重を支える事は常に前十字靭帯にストレスをかけることになります。それゆえ激しい運動をしなくても靭帯断裂を起こしてしまうのです。犬種によっても脛骨関節面の角度が違っていたりと靭帯断裂を起こす要因は色々とありますがこの辺でやめておきます。

なお、膝蓋骨脱臼を持っている子は前十字靭帯の断裂を起こしやすいです。靭帯断裂を起こさなくても私と同じように関節炎は必ず進んでいきます。

進んだ関節炎は元に戻せません。若いうちから関節保護サプリメントや関節強化フードをつずけていくようにしましょう。

何か気になる事があればいつでも相談に来てください!

 

それでは今日はこの辺で・・・ 出来ましたら、「いいね」をお願いします♪

taiyo@U-KYO-Animal Hospital

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2月5日(火) 身体に潜む病気

カテゴリー: 診察 

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パピー教室:2月9日(土)、15日(金)、23日(土)
デンタルセミナー:2月17日(日)

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皆さんこんにちは。獣医師の廣畑です。
今日は胆嚢粘液嚢腫という病気についてお話したいと思います。
この病気は胆嚢内に粘液物質が過剰に蓄積してしまうものです。
中〜高齢の犬での発生が多い病気ですが、明確な発生原因は解明されていません。
膵炎、胆管炎、肝炎などから細菌感染が胆嚢内に及ぶことで胆汁の粘稠度が変化すると言われています。
また、副腎皮質機能亢進症や甲状腺機能低下症などの内分泌疾患や高脂血症が関連しているとされています。

無症状の場合もありますが、食欲不振、元気消失、下痢、嘔吐、上腹部の痛み、黄疸などが見られます。
確定診断は超音波検査により行います。
その他併発している病気がないかを調べるために血液検査、レントゲン検査も行います。
超音波検査ではキウイフルーツパターンと呼ばれる特徴的な画像と胆嚢内内容物の流動性を確認します。

単純な胆泥貯留とは異なり、胆嚢粘液嚢腫では流動性が失われます。

胆嚢粘液嚢腫の治療としては内科的治療と外科的治療があります。
内科的治療では低脂肪食の使用と共に、利胆剤や抗菌薬の投与を行い
内分泌疾患があればそれの治療を行います。
無症状で過ごしている場合には内科的治療を行い、経過を見る場合がありますが
時間をかけて悪化していき、外科的治療の適応となるケースも少なくありません。
この病気は手術適期を逃してしまうと手術難易度や術後回復に大きく影響を及ぼし
最悪の場合は死を招くため、この時期を逃さないようにすることが非常に重要です。

この写真は胆嚢摘出後の写真です。
胆嚢内に暗緑色のゼリー状の塊が貯留しているのが確認できます。

先程もお話しましたが、この病気は何の症状も示さず経過することもあります。
なので、健康診断で偶然に見つかることも有ります。
早期発見早期治療はどんな病気でもやはり重要なことです。
大切な我が子を病気から守るために健康診断を受けてみては如何でしょうか。

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K.HIROHATA@U-KYO-Animal Hospital

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1月27日(日) 救急治療〜尿管閉塞に対するSUBシステム〜

カテゴリー: 診察 

こんばんは、院長です。
昨晩はなかなかの雪でしたね。
小さい頃は楽しかった雪も大人になると怖く感じることが多くなりました。
といっても、私は病院から出ない引きこもりだったので問題なかったのですが。
皆さんはトラブルなく過ごされたでしょうか?

さて今日は尿管閉塞という怖い病気に対するお話です。
このように寒い時期になると、泌尿器関係の病気が増えるように感じます。
特に猫ちゃんでは。
フードが関係しているとも言われていますが、
飲水量が冬場は少なくなるのも問題かもしれません。

今回は尿管という腎臓と膀胱を繋ぐ管が閉塞してしまい急性腎障害になった猫ちゃんです。
数日間はホームドクターのもとで内科治療を頑張られたのですが、
内科治療では管の閉塞が解除できないため当院での手術を希望来院されました。


治療前の腎臓ですが、尿管・腎盂といった部位が閉塞により拡張してしまっているのがわかります。
腎臓の悪化状態を示す血液検査の結果も
クレアチニン:27(正常は1.8以下)、カリウム値:7.4(正常は3.5~5.0)と非常に高くなっていました。

こうなてしまうと手術も危険な状態です。
しかし何もしなければ亡くなってしまうのは明らかです。
オーナーさんも非常に悩まれた結果、手術に臨むこととなりました。

通常尿管での閉塞では結石などが問題となることが多いため、それを摘出する手術を選択します。
しかし尿管の外科はとても繊細で時間がかかります。
おそらく麻酔に耐えられないでしょう。
ですので今回は片側の腎臓を人口チューブによるバイパスで素早く救出して尿を確保した後に、
もう片方を尿管切開を実施することとしました。

この腎臓と膀胱をつなぐバイパスシステムはSUBシステムといわれるものです。
近年開発されたシステムで、今までは尿管閉塞で手術もできない子達も多く助かるようになっています。
もちろん人工物を身体に入れるので、できるだけ使わないに越したことはありません。
しかし手術時間が圧倒的に短くなることや、尿管が広範囲にわたって狭窄や閉塞している際などには役立ちます。


夜遅くからの手術開始となりましたが、皆頑張ってくれます。
そして今回は私の外科認定医仲間の滋賀県の先生がヘルプで来てくれました。
SUBシステムをすでに自院で取り入れ、多くの症例を助けられています。
そして今回は私が尿管切開を担当してのコラボ手術となりました。


怖い写真になってしまいますが、このように腎臓と膀胱にチューブをセットして尿の迂回路を使うことで腎臓を助けることができました。

そして尿が確保されれば、点滴などを多く使えるようになり麻酔も安定します。
そこで私が反対側の尿管を切開、フラッシュすることで閉塞を解除しました。

これが尿管を縫合した写真になりますが、このように尿管は非常に細いです。
拡張していない際の内径は1mmもないと言われています。
ですのでこの部位の手術は時間がかかりますし、繊細な手技を求められます。

今回は画期的なSUBシステムのおかげで無事に麻酔も安定化し、手術を乗り切ることができました。

そして翌日以降の入院治療でどんどんと状態はよくなって・・・
もともと凄く高かった腎臓の数値も下がってくれました。
本人も意識朦朧でぐったりしていた状態から、元気にご飯を食べれるようになって退院してくれました。

今後も人口チューブの洗浄などの定期的な通院は続きますが、無事に三途の川から戻って来てくれてホッとしています。
オーナー様も喜んでくださいました。

このように獣医療ではどんどんと新しいシステムや術式、治療薬が開発されています。
多くの命がそれで救われるようになって来ています。
しかし我々獣医師が勉強をやめてしまえば、その治療も受けることができません。
これからも新たな治療を積極的に取り入れていけるように勉強に励みたいと思います。

院長

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1月25日(金) 北斗七石

カテゴリー: 診察 

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國廣:1月25日(金)、26日(土)

 

SAGANO院長です。

2月目前、獣医国家試験目前ですね!自分の国試勉強期間を思い出します。

合格が決まってからもしばらくその頃の夢を見るほど、思い出深いものでした。

気の合う仲間と勉強会を組み、同じ方向を向かって切磋琢磨したことはとてもいい思い出です。

ただこれだけは言えます。

二度と戻りたくない!

毎日毎日勉強、楽しみは食事だけですが、お金もないのでペヤング。そりゃ戻りたくないですよね笑

そして試験日4日前くらいから『この科目を参考書で復習するのは今日で最後』という科目が一つずつ出てきます。

これを『科目を閉じる』と表現していたのですが、ま〜怖いんですよね笑

20科目ほどありますから4日前には閉じていかないと全科目復習できないんです。

試験当日までもう参考書を見ることができないって、しかも試験日数日前からって、本当に怖いです。いや〜、受かってよかった笑

 

今年受験の皆さん、頑張ってください!最後まで諦めずに!

(試験は二日間ありますが自分は前夜2日とも3時半まで勉強してました笑)

 

どうでもいい話をしました。少し症例の話を。

血尿、頻尿があると検査をしたKちゃん。膀胱内に7つの大きな結石と、無数の砂利状結石が確認されました。

 

 

膀胱壁も慢性的な刺激により暑く肥厚しています。(かかとが厚くなるのと似ていますね)

内科療法でも石が消えることはなく、残念ながら外科適応に。

 

以前開腹手術をしていたこともあり膀胱は腹腔内組織と癒着を起こしていました。

慎重に癒着を処理し、膀胱を触ってみるとほぼ全周にわたり膀胱壁が肥厚しており、切開する場所がなかなかありません。

一番薄そうなところ、そして血管の少ないとこに切開を加え、一つずつ結石を取り出していきます。

残った大量の砂利は吸引機で除去していき、無事全ての結石を除去できました。

あとは尿が漏れないように丁寧に縫合していき終了です。(水漏れしないかの確認も行います)

 

 

 

 

結石成分はシュウ酸カルシウム。溶けない結石の代表ですね。手術をしてよかったと思います。翌日から元気に過ごしてくれたKちゃん。本当によく頑張ってくれました。

膀胱壁の肥厚があるため頻尿どこまでなくなってくれるか心配は残りますが、しっかり拡張できる膀胱に戻ってくれることを願います。

Kちゃんは術前尿検査に結石の成分は検出されませんでした。健康診断には是非腹部エコー検査を取り入れてあげてください。

謎のタイトルにしましたが、北斗の拳世代の方は読んでくれたかなー笑

 

 

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1月22日(火) 問題は腸にあり!

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こんにちは。獣医師の廣畑です。
今日は低アルブミン血症についてお話したいと思います。

アルブミンは肝臓で作られるタンパク質です。
そして、数多くある血漿タンパク質の中で最も量が多いタンパク質です。
アルブミンは主に
①血管内に水分を保持し、血液を正常に循環させるための浸透圧の維持
②栄養・代謝物質の運搬
という役割を担っています。

なので、血液中のアルブミンが低いと血管内から水分が漏れ出てしまい
お腹に水が溜まってしまったり(腹水)、胸に水が溜まったりします(胸水)。
このように身体中に余計な水分が溜まってくると浮腫が生じてきます。

血液中のアルブミンが少なくなってしまう低アルブミン血症が起きてしまう
原因は主に
①低栄養・飢餓
②肝機能障害によるアルブミン産生の低下
③臓器(腎臓・腸)からの漏出
④重度の炎症
などが挙げられます。

今回紹介するワンちゃんは血液検査で重度の低アルブミン血症が認められ、
肝臓・腎臓の機能検査を行いましたが結果は正常でした。
これらの結果から腸の問題が原因で低アルブミン血症が起きていると考え、
内視鏡検査を行うこととなりました。
術前の超音波検査で下の写真のようなものが確認されました。

これは腸管を映し出しているのですが、赤矢印で示した部分が異常所見です。
腸リンパ管拡張症という病気の場合、赤矢印のような白い線が見えてくる場合があります。

内視鏡検査においても腸リンパ管拡張症を疑う所見が得られました。


腸の内部は写真のように白い結節状のものが無数に認められました。
典型的な腸リンパ管拡張症ではこのような所見が認められます。
腸生検を行い病理検査に出したところ、やはり腸に問題が認められるという事でした。
それ以降は腸に対する治療を行い、現在アルブミンの数値は正常な状態をキープできており
ワンちゃんも元気一杯に過ごしています。
いろんな検査があり大変だったと思いますが、よく頑張ってくれました!


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動物の総合健康管理施設右京動物病院 HEALTH CARE CENTER・SAGANO
JAHA認定 総合臨床医・外科医/ 国際中獣医学院認定 中獣医鍼灸師
 ISFMキャットフレンドリークリニック ゴールド認定 

1月20日(日) あれから1年

カテゴリー: 愛犬 診察 

1月20日(日)

*******セミナーのお知らせ*********
パピー教室:1月25日(金)
デンタルセミナー:1月27日(日)

*******獣医師の臨時休診について*********
院長:1月22日(火)
百石:1月26日(土)、27日(日)
國廣:1月25日(金)、26日(土)

こんにちは。百石です。
早いもので、先日アムロの一周忌をむかえました。
家族集まってアムロの話に花を咲かせました😊
今思えばアムロとの最後の1年は壮絶でした。
ぎりぎりの状態で過ごしたお正月は涙なしではいられない毎日でした。
本当に最後の最後まで頑張ってくれました。
会いたくて会いたくて、すぐにでも抱きしめたいのは1年経っても全く変わりません。
ただ、抱きしめられなくても、アムロは私の心の中にいつまでもいてくれています。
アムロに支えられながら日々頑張れています。
アムロ、ありがとうね。大好きだよ!!
スタッフからステキなお花も頂きました。
 

今の私の相棒のオハナはというと、お兄ちゃんアムロに負けじと家に居る時は四六時中私にひっついてきてくれます😄
先日、オハナも一緒に大文字山登山に行ってきました。

思った以上に道は険しくきつかったのですが、オハナはぴょんぴょん駆け上がって行きました!
オハナと出会って間もない去年の4月頃の、階段どころか外を歩くこともままならなかったのが嘘のようです😙
またいろんなところにお出かけしようね😊

さて、今回は心臓病をもったトイプードルのRくんのお話です。
Rくんはここしばらく口の中の片方の奥からずっと出血をしていて、痛いせいかご飯もちゃんと食べれてないとのことで来院されました。
診察中も口の中を見ようとするとめちゃくちゃ嫌がって怒ってしまいました。
したがって、鎮静麻酔下で口腔内検査をし、処置をすることになりました。
ただRくんは心臓が悪いので、まずは術前検査をしっかり行う必要があります。
レントゲン検査と心臓の超音波検査で心臓の病態の程度を把握し、それにあった麻酔のプロトコールを選択します。
検査の結果、口腔内に大きな傷があり、化膿していました。
本来はない穴のようなスペースが頬と歯茎の間にできていました。

歯石の付着もひどかったため、より感染が助長されたのでしょう。
スケーリングを実施し、傷の部分をしっかり洗浄しました。
麻酔も安定しており、心臓にも負担がかからずに処置を終えました。

翌日、ずっと痛くて食べれなかったRくん、なんとドライフードをむしゃむしゃ食べてくれました。
オーナーさんも大喜びでした。

高齢になると心臓病などいろんな病気にかかるリスクがあがります。
麻酔下での検査が必要な場合もでてくると思いますが、その子の状態をしっかり把握し、その子に合わせた方法で行えば決してできないことはありません。
もし、何か気になることがあれば、なんでもご相談くださいね!
一緒にその子にあった最善の方法を考えていきましょう。

それでは今日はこの辺で・・・ 出来ましたら、「いいね」をお願いします♪

A.Hyakkoku@U-KYO-Animal Hospital

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