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右京動物病院ブログ: 2016年5月15日(日)

5月15日(日) 胆嚢粘液膿腫 〜おばあちゃん犬、よく頑張りました〜

カテゴリー: 診察 
5月15日(日)

*・゜゚・*:.。..。.:*・゜獣医師の休診のお知らせ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜
5月21日(土)午前
5月24日(火)終日
 ・・・は学会出席の為、院長が不在となります。
病院は通常通り診察しておりますので、宜しくお願い致します。

5月は何かと臨時休みが多くなってしまって申し訳ありません
そのぶん、より多くの子達を助けられるように 、最新の知識・技術を導入しています
6月からは当院でも本格的に腹腔胸手術がスタートされる予定です
動物にとって優しい動物病院」であれるよう努力しております

これからもスタッフの臨時休みでご迷惑をかけるかも分かりませんが
どうぞご理解とご協力お願いします

さて本日は・・・
胆嚢粘液膿腫(たんのうねんえきのうしゅ)」という病気・症例です

今回のワンちゃんはラブラドール
年齢もなんと14歳
人間で例えるとゆうに80歳は超えているでしょうね

数日前より吐いて食欲もなくなっているとのことで
全身の検査をしていくこととなりました

血液検査で黄疸、肝酵素値の上昇が認められたため
より詳しく肝臓をチェックする為にエコー検査をおこないました

メル2 メル
本来であれば胆嚢(たんのう)という臓器は消化液を蓄えている為に
エコー検査で真っ黒に写ってくるのですが・・・
白くドロドロと写っています(キウイフルーツ様といったりします)
また腫瘤が見つかったり、腹水も溜まっており、一部破裂している像も見られました

ここで胆嚢粘液膿腫(たんのうねんえきのうしゅ)と診断しましたが、
この病気は胆嚢にゼリー様の物質が溜まることによって
嘔吐や腹痛、黄疸等の症状を引き起こし
腹膜炎や肝炎を併発することもある非常に危険な疾患です

中年〜高齢のワンちゃんに多く
高脂血症やホルモン病、肥満の子では発症のリスクが高くなります
またどのような犬種でも発生しますが
シュナウザーやシェルティーには多く発生するため注意が必要です

治療は内科治療(利胆剤、肝保護剤や低脂肪食)外科治療(胆嚢摘出)
に分けられますが、黄疸まで出てくるとどちらも危険な状況です
今回は胆嚢の一部破裂所見が認められたこともあり
緊急手術をおこなうこととなりました

いざ開腹して腹水を吸引して、胆嚢を確認してみると・・・
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大きく腫れ上がり肝臓と癒着している胆嚢と腫瘤が確認できます
まずは注意深く胆嚢を肝臓から剥がしていきます
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ソノサージや滅菌綿棒を使いながら慎重に慎重に剥離していきます
胆嚢を破裂させてもいけませんし、肝臓を傷つけてもいけません
神経を使う細かい作業の連続ですが、
高齢で状態の危険な患者のため最速で手術を進めます

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無事に剥離は終了
胆汁の疎通確認をしたあとに胆嚢を摘出しました

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そして次は肝臓腫瘤の切除を合わせておこなっていきます
大血管に注意しながらソノサージや鉗子、縫合糸を使って作業を進めます

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無事に胆嚢、肝臓腫瘤ともに摘出できました
あとは無事に麻酔から覚めてくれるか・・・
元気になってくれるか・・・
ということで夜中も看護の数日を過ごしましたが
数日後には元気な顔を見せてくれるくらいまで回復してくれました
また腫瘤も肝細胞種という良性腫瘍でした

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また大好きなご飯が一杯食べれるようになって良かったね
これからもまだまだ元気で長生きしてね

ホッと胸をなで下ろしました
胆嚢粘液膿腫は周術期の死亡リスクが非常に高い病気です
普段から「胆泥症」という診断を受けて利胆剤を飲まれている子もたくさんいると思います
胆泥症から胆嚢粘液膿腫へと悪化することもあるため
毎日の内服薬と定期検査は忘れないようにしてくださいね
私も時間ができたら健康診断に行くようにします

院長

それでは今日はこの辺で・・・・ 
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