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右京動物病院ブログ: 2013年10月25日(金)

10月25日(金) 「黄疸」・・・嫌な症状の一つです 2

カテゴリー: 診察 
10月25日(金)

先日、黄疸について書いてみましたが
今回も黄疸の症例のお話です

黄色くなってしまう原因というのは
体内でビリルビンという物質が増えるからです

今回は肝性黄疸といって
肝臓自体の障害・病気によって
黄疸が出てしまったワンちゃんです
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まだまだ若くて元気なゴールデンレトリーバーの男の子ですが
来院時は吐き気に加え、グッタリして立ち上がることもできませんでした

身体検査で明らかな黄疸が確認できます
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白眼、歯茎、お腹の皮膚、全て黄色くなっているのが分かります
循環動態も悪くなっているため
検査を進めつつ循環確保を行い処置・検査を同時に進めていきます
血漿成分(通常は透明)も真っ黄色ですね

血中のビリルビン濃度は予想通り高いですが
それ意外にも肝数値(GPT, GOT)、腎数値(BUN, CRE)も上昇しています
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今回は急性肝不全および急性腎不全の結果
黄疸が生じてしまった(肝性黄疸)ということです

それではなぜ急に肝不全や腎不全が起こってしまったのか・・・
若くて健康な子であれば頭をよぎるのは・・・中毒や感染症

その中でも、ある感染症の可能性が高いため
遺伝子検査や抗体検査といった特殊検査を行ったところ・・・
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「レプトスピラ」という感染症にかかっていることが分かりました

レプトスピラ症は人獣共通感染症という人にも感染してしまう伝染病の一つで
届出指定もされている非常に恐ろしい病気です
今回は検査結果が出る前から隔離病棟に入院・治療させていたため
早期の疑診・判断が功を奏したと思います

レプトスピラについてはまた次回詳しく書きますが
致死率の高い恐ろしい病気です
病院に泊まり込みの治療が1週間以上続きましたが
無事に峠を越え回復していってくれました
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まだまだ治療は続きますが退院となってくれてホッと一安心です
本人は徐々に食欲も取り戻し元気も出ています

今回は黄疸といっても
「レプトスピラ感染による肝不全から生じた黄疸」でした
もちろん前回の症例と同じ治療を行っても治ることはありません

原因をはっきりとさせて根本治療をおこなう
非常に大事なことですね
確かに検査をすること自体に費用がかかってしまうデメリットもありますが
結果としては一番早く病気を治して本人を楽にさせてやれるのではないでしょうか

しかし・・・
レプトスピラ症・・・
本当に恐ろしい感染症です
次回詳しく紹介させていただこうと思います


では今日はこの辺で・・・・ 
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