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右京動物病院ブログ: 2012年12月17日(月)

12月17日(月) にょうへい

カテゴリー: 診察 
12月17日(月)

先日は小豆が膀胱炎になってしまいましたが
本人(犬?)はいたって元気でおもちゃで遊んでおります
ご心配おかけしました

さてさて冬場の寒い時期で怖いのが「にょうへい
獣医療関係者の方であれば「今年も来たか・・・」とドキッとする言葉です(笑)

これは「尿道閉塞」の略で猫にとても多い病気なのですが
尿道(尿の出る道)が閉塞して排尿できなくなる病気です

もともと猫ちゃんは「猫下部尿路疾患」といった言葉もあり
おしっこ関係の病気がものすごく多いです
細菌性・特発性膀胱炎や尿石症などで
炎症が長い間続いたり、石が詰まることによって
尿ができなくなってしまいます

尿が出ない状況が長く続いて怖いのが
尿毒症膀胱破裂です
どちらも生死に関わる病気のため
できるだけ早い処置が必要になります

今回来院された猫ちゃん
この子は2日程前から尿が出ていないとのこと・・・
来院時はもちろんぐったりして立つこともできません

体温は32度以下(体温計の下限を振り切っていました)
血圧は触知できず、不整脈もありました
恐らく半日遅ければ・・・危なかったでしょう

レントゲンを確認してみると
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赤丸で囲ってあるのが膀胱ですが
お腹の半分から三分の一くらいを占めています

血液検査結果は・・・
                                  基準値
BUN : 140以上 (17.6~32.8)
Cre   : 15.7   (0.8~1.8)
P       : 15.0   (2.6~6.0)
Ca    :  7.4     (8.8~11.9)
Na    : 137     (147~156)
K       : 9.0      (3.4~4.6)
CL    : 103     (107~120)
いずれも腎臓系の状態を表す項目ですが
正常値より大幅に逸脱していました

ここで尿道閉塞による尿毒症と診断し
尿道にカテーテルを留置し入院
積極的な輸液治療を開始していきました

数日後には何とか状態も安定してきたため
一週間後には退院することができました
しかし後少し遅れていればとゾッとします

猫ちゃんは腎臓や膀胱といった尿関係の病気がとても多いです
そしてこの時期は「にょうへい」が怖いです
家の猫ちゃんがきちんとトイレでおしっこしてるかよく見てあげてください
一度膀胱炎になったことのある子は定期的な尿検査も大事です

何度もトイレに行ったりしていませんか?
おしっこの際に変な鳴き声をあげていませんか?

第二の獣医師である飼い主の眼は非常に重要です


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