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11月28日(火) 猫の多頭飼いでは注意?

カテゴリー: 診察 

11月28日(火)


゜゚・*:.。..。.:*・゜獣医師の臨時休診のお知らせ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜
それぞれの通常の休みに加え、下記日程が休みとなりますのでご注意下さい。
詳しくはホームページの獣医師出勤表をご確認下さい。
   平野:11月30日(木)午後


先日、家の近くの商店街を歩いていると、あるお店に
行列ができているのを見かけました。
そのお店はいつ開いているか分からないという幻のお団子屋さんでした。
京都に引っ越してきてもうすぐで2年が経ちますが、
初めて並んで買うことが出来ました。
みたらし団子がとても美味しかったので、是非また食べたいです。

さて、今回は猫のLちゃんのお話です。
Lちゃんは1週間程前から食欲が落ちてきたとのこと。
血液検査を行ったところ低アルブミン血症が認められました。

このアルブミンは体内において重要な役割を担っています。
一つは血管の外に血液が漏れていかないように
血管内に血液を保持するという役割です。
その他には血液中の様々な物質や栄養と結合して
体内で必要とする部位に運搬するという役割です。
なので血液中のアルブミンが低くなると血管外に血液が漏れ出て行き
お腹に溜まったり、食欲・元気がなくなり体の免疫力が低下する
などが起こります。
1週間も食欲不振が続くと血中のアルブミン濃度はどんどん低下してしまいます。

続いてレントゲン検査を行いました。
その結果が
こちらです。


お腹のレントゲン写真ですが、気になるところが、、、
それはお腹の臓器が少し見えにくくなっています。
腹水が溜まっているとこのように見える事があります。
エコー検査にてお腹の中を調べると腹水が認められました。
腹水を採取し分析すると、この腹水の原因は
猫伝染性腹膜炎(FIP)であることが疑われました。
腹水を外注検査に出しましたが、数日後返ってきた結果は腹水中から猫伝染性腹膜炎ウイルスが検出されたというものでした、、、

この猫伝染性腹膜炎ウイルスは多くの猫が持っていると言われる猫腸コロナウイルスが
体内で突然変異を起こしたものです。
腸コロナウイルスに感染していてもほとんどの場合は無症状ですが、
一度猫伝染性腹膜炎ウイルスに変異すると予後はかなり厳しくなってしまいます。
なぜ突然変異してしまうのかはっきりとした原因は分かりませんが、
飼育環境でのストレスが関係しているのではないかと考えられます。

では、飼育環境でのストレスとはどのようなものなのか?
よく言われているのが無理な多頭飼育です。
それによって日々の生活でストレスを受け続けた結果として
体内でウイルスの突然変異が起こり、病気を発症すると考えられています。

この猫伝染性腹膜炎ですが、残念ながら確実な治療法というものが
今のところ存在しないというのが現状です。
体内の炎症を抑える抗炎症薬や免疫力を高めるインターフェロンの投与などが
行われますがあくまでも対症療法になってしまいます。

今も治療に関する様々な研究がされています。
一日も早くこの病気を治せる治療法が発見されるのを祈るばかりです。


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K.Hirohata@U-KYO-Animal Hospital

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